ミツルギクッキー

「見て見て見て～！ほら、ラブラドールのクッキー型見つけたんだ。可愛いだろ？！」
「あ、足型もあるんですね。ボーンまで」
「…成歩堂、言っておきますが反対です」
「え？」
「店の商品にするつもりでしょうが、ここは店内にペットを連れ込めるわけですらないんですから、自分の趣味は控えるべきでしょう」
「う…（しゅん）」
「あ、で、でもほら、誕生月ならいいんじゃないですか？」
「響也…？」
「ミツルギだって看板犬として頑張るんだし、誕生月限定でなら問題もないんじゃないかな、アニキ」
「…まったく、あなたは成歩堂に甘いですね」
「（アニキほどじゃないけどね）」
「えっと…ダメ、かな、牙琉……」
「……他の月では認めませんからね」
「！うん、ありがとう！響也くんも！わー、ミツルギよかったな、みんなにお祝いしてもらえるよ」
「わう♪」
「よかったね、ミツルギ」
「……」（飼い主に懐いて無視）

どこかの広場で。

「あっ、ミツルギ！仲間が沢山居るよ！
　ほら、遊んでおいで」
「…………」（じぃ～）
「僕はここで待ってるから」
「…………………」（じぃぃ～～～）
「……どこにも行かないってば」
「……………………………………」（じぃぃ～～～～～～）
「…………」

間。

「ほら、ミツルギ」（ぽーんとボール投げて）
「♪」（喜んで取りに行く）
「…………。はぁ……」（溜息）

フォレ・ノワール

「黒い森」っていわれるケーキ。だけど、名前の雰囲気と違って、チョコのスポンジとダークチェリーとチョコのコポーでとっても甘くて美味しいんだよな。
……だけど前にこのケーキを作った時、大変だったな。御剣の家へのお土産にしようと思っていて、買い物帰りに迎えに来てくれた御剣に見せたんだけど、ミツも覗き込んじゃってさ。
「ミツルギ（犬）は食べちゃダメだよ」っていったら、御剣（人間）が自分のことだと勘違いして、違うって納得させるのが大変だったんだよな。
そういえば、あの時から御剣の前では勘違いしないようにミツって呼ぶようにしたんだっけ。
まあ同じ名前付けた僕が悪いんだけどね（苦笑）

ガトーバスク

ガトーバスクを焼いたら、ミツルギが食べたがって説得が大変だったよ。
神乃木さんに味を見てもらうし、頑張ったんだけどね。犬には砂糖が多すぎてあげられないんだよ。しかたがないから生地だけで焼いたやつを少しあげたら満足してくれてよかったけど。嬉しそうに食べてくれるからつい平気そうなところをあげちゃうんだよね。
あれ…そういえばミツルギって、いつも初めに味見しているかな。身体に悪くないように気をつけないとね。

初雪。

チャラッチャチャラ～♪

「んー、はいはい……（誰だよ、朝っぱらから）」
『あっ、ナルホドくん！外見てよ、雪だよ、雪！』
「……ああ、本当だ」（窓見つつ）
『ミツルギくん、遊ばせてあげなよ。犬は雪を見ると転げまわる生き物なんだからね』
「（頷けるような頷けないような）うん、解ったよ。じゃあね。
　……あ、そうだ。折角だから千尋さんから貰った帽子とマフラーつけて、と。
　うん、似合う似合う、可愛いね。（ミツルギ尻尾振って大喜びだ、良かったなぁ）
　それじゃ外に行こう……
　あ―――――！！！（汗）」

ズボッ！！（←雪に嵌った音）
　


「あーあー、頭から突っ込んじゃって雪まみれだな……
　仕方ないね、産まれて初めて見る雪だもんね。
　雪食べたら冷たいよ」
「！！！」
「ほら冷たい」